JBVP一般社団法人 日本臨床獣医学フォーラム
Japanese Board of Veterinary Practitioners

犬の病気ポメラニアンの脱毛症

原因

原因は不明であるがホルモン性の脱毛症と思われている。2-3歳くらいまでに雄で発症するものが多く、ポメラニアンの他にもチャウチャウやアラスカンマラミュート、シベリアンハスキー、キースホント、ミニチュアプードルにも同様の脱毛が知られている。原因は精巣または副腎からの異常な性ホルモンの分泌ではないかと考えられている。以前は成長ホルモンの欠乏が原因ではないかと考えられていたが、現在ではその考え方には疑問があり、去勢で治療が可能な場合があることから去勢反応性脱毛症、あるいは副腎に対する治療で治ることがあることから偽クッシング症候群と呼ばれている。

症状

会陰部、外陰部、頚部の左右対称性脱毛と黒色化からはじまり、次第に脱毛部が広がる。傷を負った部位に房状に発毛がみられることがある。毛色が暗くなったり明るくなったりすることもある。ふけが多く、被毛も光沢がなくなる。

治療

生命に別状はないので、脱毛が気にならなければ放置してもよい。毛糸のベストを着せるのも一つの方法である。治療を望むなら雄ならば去勢してみるのもよい。それでも反応がない場合には、性ホルモンを作る臓器としては副腎が考えられるので、クッシング症候群の治療に似た、副腎を少し破壊する薬物療法を行ってみる。現在では成長ホルモンの投与は行わない。