JBVP一般社団法人 日本臨床獣医学フォーラム
Japanese Board of Veterinary Practitioners

犬の病気腸閉塞

原因

小腸の中に口から飲んだ異物などがつまり閉塞を起こすもので、犬では比較的多くみられる。つまったところのすぐ上部からガスや液体がたまり始める。この結果体に対する影響としては、体液と電解質が失われることによる異常、細菌の異常繁殖による細菌毒素によるショックなど、重大な生命を脅かす障害となる。また腸がねじれた場合や、腸の一部が別の部分に入り込み重積の状態になったものでは、腸の壊死(えし;組織が死んでしまう)も起こり細菌の異常繁殖による細菌毒素によるショックなどがきわめて起こりやすい危険な状態である。

症状

異物の中にはレントゲンで写らないものもあるので、発病前おもちゃで遊んでいて急に吐きだしたなどの情報が重要になる。元気食欲がなくなり、吐くというのが一番多い。腸の中でも胃に近いほど、吐くのは激しく回数も多い。また腸がねじれたり重なっていたりする場合は症状はもっと激しく、ぐったりして青白く、脈が弱く、ショックの状態に陥っていることもある。

治療

多くは手術により異物を除いたり、壊死した部分の腸を切ったりする必要がある。もちろん手術に先立ち、失われた水や電解質を点滴で与え、腸内で繁殖している細菌を抗生物質でたたくことも必要。