JBVP一般社団法人 日本臨床獣医学フォーラム
Japanese Board of Veterinary Practitioners

犬の病気前立腺炎

原因

雄の尿道の上部に前立腺という器官があり、肥大したり、細菌感染が起こることもある。さらに前立腺の癌も知られている。前立腺炎は細菌感染のために炎症が起こり腫れるものである。膿がたまって膿瘍(のうよう)となるものも多い。

症状

尿とは無関係に尿道から分泌物、膿などがでることがある。また腫れた前立腺による妨害で、排尿や排便が困難になることもある。腹部を押すと痛がり、発熱、元気消失もみられる。

治療

前立腺マッサージで前立腺からの液をとり、細菌感染と炎症について調べ、さらにレントゲンやエコー検査で腫れた前立腺を診断する。中に膿がたまったような袋がみられた場合には前立腺膿瘍が疑われるが、その他癌や良性の過形成も考えられるので、尿の検査や、生検などで確認する。細菌が原因の場合には抗生物質で治療を行う。ただし再発しやすく、膿瘍を作っている場合には口から飲んだ抗生物質はその中に到達しにくいので手術も必要になることがある。去勢は再発防止に効果がある。