JBVP一般社団法人 日本臨床獣医学フォーラム
Japanese Board of Veterinary Practitioners

犬の病気子宮蓄膿症

原因

子宮内の細菌感染による膿の貯留であるが、原因には卵巣からのホルモン、それに支配される子宮の変化が関係している。細菌の増殖の結果、子宮のみならず、重大な全身の病気となる。

症状

発情が終わってから陰部から分泌物が出ることも出ないこともある。また多飲多尿、元気消失、食欲減退もみられることがある。子宮が大型化して、腹部が大きくなることもある。細菌の毒素が全身に回ったり、あるいは子宮が破れると、激しい全身の病気となり、生命に危険がある。

治療

X線検査で大型になった子宮がみられたら、診断が確定する。ベストの治療法は手術による子宮卵巣の摘出である。あわせて抗生物質、輸液療法も行う。別の治療法としてプロスタグランジンF2αという薬物で手術なしに治療できることも知られているが、比較的状態がよく(あまり症状が切迫していない)、将来繁殖をしたいと言う場合だけにすすめられるので、獣医師による判断が必要である。この治療法ではもちろん再発の危険性は残る。