JBVP一般社団法人 日本臨床獣医学フォーラム
Japanese Board of Veterinary Practitioners

猫の病気クリプトコッカス

イーストに似たかび(真菌)の仲間が原因の伝染病です。
通常は土の中にいる菌ですが、鳩の体内を通過し(病気はおこさずに)糞のなかにでると、そのまま胞子が2年以上生き続け感染源になります。感染は胞子を埃として吸い込んでおこりますが、猫から猫へ、あるいは猫から人間への感染はこれまで報告がありません。
症状は感染の場所によってさまざまですが、たとえば鼻の奥に感染して、慢性の鼻水がでたり、鼻の形が変わったり、あるいは神経症状をだしたり、眼の症状があったり、慢性の皮膚炎があったりします。特徴は慢性の病気でしかもどんどん進行して行くことです。
これまで治療は難しいといわれていましたが、最近では効果のある薬がみつかっています。本来はあまり多い病気ではありませんが、猫白血病ウイルスや猫免疫不全ウイルス感染で免疫が障害されていると、もともと環境中にいる菌なので、感染・発病の危険性は多くなります。
人間でも免疫不全患者やガン患者、あるいは免疫抑制剤を使用中の人に発生することがほとんどで、このような性質から日和見感染病原体と呼ばれています。