JBVP一般社団法人 日本臨床獣医学フォーラム
Japanese Board of Veterinary Practitioners

猫の病気ショック

ショックとは心臓血管系の異常で、体の各部分に酸素を送れなくなることで発生します。中毒や心臓自体の病気で起こることもありますが、事故などに際しては、出血によって血液が少なくなることが重大な原因です。

■ショックのサイン

  • ぐったりする、意識がなくなる
  • 体、または四肢の先端が冷たい
  • 脈は弱く、早い
  • 呼吸は不規則で、浅く早い
  • 口の中が白くて乾燥する
  • はぐきを指で押すと白くなるが、指を離しても2秒以内に赤みが戻らない
  • 瞳孔が開いたまま

まず動物が暴れないように静かに毛布などでくるみます。口の中を開けて、吐物や血液、粘液があれば除きます。これで呼吸をしやすくします。呼吸がみられない場合には人工呼吸が必要です。猫を横にして、猫の鼻に人間の口をつけて、1分間15回息を吹き込みます。心臓が止まっていたら同時に心臓のマッサージを行います。肘の後ろで肋骨の上から心臓をつかむようにして、1分間最低60回は圧迫します。次に出血があれば圧迫します。大切なことは、何がいちばん先に重要かを冷静に判断することです。傷口の消毒などは後でもできます。第一に大切なのは呼吸です。そして次に心臓です。そして次に出血を止める、と覚えておいてください。もちろん、速やかに病院に行って、正しい処置を受ける必要があります。