2020年に初めて犬の肺高血圧症のガイドラインが発表され,診断基準や臨床分類が規定された.それにより臨床診断の手順・方法がより明確になったが,実際には臨床分類を下すことが難しい症例や,2つ以上の病因が混在しているだろう症例にも多く遭遇する.重度の呼吸困難や繰り返す失神を呈する症例に対して,どこまで検査を実施し,どのような治療を行なっていくのか悩む場面も多い.今我々臨床獣医師にできる診断と治療を,実際の症例と文献情報を交えながら解説していく.
2020年に初めて犬の肺高血圧症のガイドラインが発表され,診断基準や臨床分類が規定された.それにより臨床診断の手順・方法がより明確になったが,実際には臨床分類を下すことが難しい症例や,2つ以上の病因が混在しているだろう症例にも多く遭遇する.重度の呼吸困難や繰り返す失神を呈する症例に対して,どこまで検査を実施し,どのような治療を行なっていくのか悩む場面も多い.今我々臨床獣医師にできる診断と治療を,実際の症例と文献情報を交えながら解説していく.