猫の甲状腺機能亢進症の診断には血中Total T4濃度が重要な要素の一つである.しかし,境界領域の際の判断や,他のホルモンを測定すべきかの判断指数は複雑で,しっかり理解しておく必要がある.また.犬では,血中Total T4濃度が低くても,原発性の甲状腺機能低下症なのか,基礎疾患に基づく生理的な濃度低下なのか,注意深く見極めねばならない.近年,ヒト組み換えTSHによる刺激試験の有用性が改めて見直された.本講演では,これらのトピックスを紹介し,「甲状腺ホルモン:いつ何を測って,どう読むか」を考えたい.