膿皮症は特に遭遇する機会の多い犬の炎症性皮膚疾患であり,大部分は常在菌であるStaphylococcus pseudintermediusの過剰増殖によって発症する.よって治療としては抗菌剤の選択や使用方法にばかり意識を向けやすいが,しつこい膿皮症の場合はS. pseudintermediusが増殖しやすい皮膚環境の改善,関連している基礎疾患の評価と管理,皮膚に刺激を与えないプロアクティブなケアを考えることが重要になる.これらを踏まえて本セミナーではしつこい膿皮症の治療に焦点を当ててお話してみたいと思う.