薬剤難治性てんかんでも,てんかん外科によって発作が劇的に良くなる可能性があります.迷走神経刺激術(VNS)とは,てんかん外科の中でも開頭を必要としない治療法で,頸部に埋め込んだ装置にて,頸部迷走神経を断続的に刺激します.約2年経過を追っている我々の1症例目では,VNS治療前と比べ強直間代発作ぼ頻度が87%減少し,犬と飼い主さんのQOLの大きな改善も得られました.本講義では,VNS治療の適応と実際について解説するとともに,我々の治療成績を紹介します.