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自己免疫疾患関連 文献(要約):町田晴市(町田動物病院),栗田吾郎(栗田動物病院),草野道夫(草野動物病院)
犬の全身性紅斑性狼瘡-1..臨床的,生物学的局面
Chabanne, L,.Monier,J-C,.Fournel,C,.Rigal,D.
Compend.Contin.Educ.Pract.Vet.1999.21.2
Proc.Am.Anim.Hosp.Assoc.1997


犬の全身性エリテマトーデスは,再発を繰り返す慢性疾患であり,主な症状には発熱、多発関節炎、腎疾患(糸球体腎炎),皮膚病変,リンパ節の腫大と脾腫がある.関節炎は,通常多数の関節に起こり(椎骨間の関節,手根関節,足根関節,顎関節など),非びらん性非変形性の関節炎を呈する.皮膚病変としては,脱毛,紅斑,潰瘍,痂皮形成,時に角化亢進症が見られる.特に,日光に当たる部位が光によって感作されるのが特徴である(すなわち,前肢の背側面,顔[唇,鼻,パッド,耳介内側],被毛によって守られている皮膚が薄い部位[腋窩,鼠径部, 腹部).血液学的異常には,白血球減少症,溶血性貧血,血小板減少症があるが,我々の調査では非常に少なかった.性差では7:3と雌が多く,平均年齢は5歳齢であった.
犬のSLEでは通常抗核抗体は陽性であり,抗体価がその他の疾患よりも高いことが多い(97-100%で陽性であり,抗体価は256以上であることが多かった.重症例では,4096-1,000,000と非常に高く,治療と伴に減少した).リンパ球サブセットの検査では,T-cellのサブセット間の顕著な不均衡(活性化したCD4+細胞の増加, CD8+細胞の顕著な減少)を伴うリンパ球減少が明らかになっている.また,治療対して良好に反応する症例ではCD8+細胞の増加が見られる.
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自己免疫性の皮膚疾患 、第1部:鑑別診断、疾患の理解,病理学的機序と免疫学的診断
MacDonald,J,M. Am.. Anim.Hosp.Assoc.1999. Scientific Presentations of the 66th Annual Meeting: 317-320


自己免疫性皮膚疾患の確定診断には,臨床的特徴を確認して鑑別診断リストをあげ,病理組織検査または免疫蛍光抗体法が必要である.
落葉状天疱瘡は150KDの糖蛋白であるデスモグレイン1の表皮抗原に対して自己抗体が産生される疾患であり,臨床的特徴は原発疹としての丘疹と膿疱,続発疹としての痂皮形成(落屑)である.病変は顔と耳に限局することが多い.病理組織検査によって皮下識または上皮内の膿疱と棘細胞融解が見られば診断可能である.紅斑性天疱瘡は,落葉状天疱瘡が良好な形態に変化した疾患と考えられる.病変が頭部と頚に制限される.
尋常性天疱瘡は130KDの糖蛋白である表皮抗原に対して自己抗体が産生される疾患である. 通常中年以降に発生し,皮膚粘膜のびらん,潰瘍,短期間の小水疱または膿疱形成である.病理組織検査では,基底層下の亀裂であり,toomb stoneが見られる.
増殖性天疱瘡は尋常性天疱瘡が変化した非常にまれな疾患である.すなわち,痂皮が積み重なり,血清が含まれることによって最終的に増殖性病変を形成する.病理組織所見では角化亢進症と有棘細胞の浸潤をともなう上皮の過形成が見られる.
水疱性類天疱瘡は自己抗体が基底細胞に付着する疾患であり,水疱を形成する. 急性症と慢性症によって皮疹部位が異なり, 水疱形成時の病理組織診断によって診断される.免疫蛍光抗体法では基底膜領域の上皮結合部に蛍光抗体の沈着が認められる.
全身性紅斑性狼瘡の臨床的特徴は,多発関節炎、皮膚疾患、蛋白尿、貧血と口腔内潰瘍の併発であり,皮膚病変は顔,耳,皮膚粘膜結合部,床爪に発症することが多い.特異的な皮疹はない. 病理組織診断では,真皮と基底上皮間の炎症,基底細胞の水腫変化,棘細胞離開などである.免疫蛍光抗体法では基底膜領域に沈着が示され,抗核抗体(ANA)が高い場合には通常循環中に証明される.
円板状エリテマトーデス(DLE)は,鼻の平面の敷石状が無くなった平坦な状態,鼻のびらん,痂皮形成を伴う色素脱色が特徴である.病理組織診断では,基底上皮細胞の水腫状変化を伴う皮膚炎である.
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自己免疫性皮膚疾患,第2部:治療と免疫学的長期療法の原則
MacDonald,J,M. Am.. Anim.Hosp.Assoc.1999. Scientific Presentations of the 66th Annual Meeting:321-322


自己免疫性皮膚疾患の患者の治療は,導入,維持と支持として行うべきである.グルココルチコイドは,導入治療時に免疫抑制量を2ー3週間投与され,維持治療時には抗炎症量を隔日投与される.もし十分な治療効果が望めない場合には,その他の免疫抑制療法を加える.猫のグルココルチコイド療法には限界があり,犬よりも高容量を必要とする.メチルプレドニゾロン,トリアムシノロンとデキサメタゾンは,猫に使用されたり,投与間隔を延長する目的で使用される.症例の約50%が長期間使用されるので,4ー6週間間隔で患者の評価が必要である.アザチオプリン(イムランR )はグルココルチコイドと同時に与えられる代謝拮抗薬であり,導入時には約3ー6週間使用され,維持時には隔日または週に2回投与される.クロラムブシル(レウケランR )は寛解に達したならば(4-8週間必要),次ぎに隔日投与にする.通常グルココルチコイド療法と組み合わせて使用される.サイクロホスファマイド( サイトキサンR )は4日間連続投与/毎週であるが,出血膀胱炎を防ぐために8週間以上の使用を控えたり,プレドニゾロンと同時に使用される.
金チオグルコース(ソルガナルR )は,天疱瘡症候群(特に落葉状天疱瘡),水疱性類天疱瘡と形質細胞性皮膚炎に使用される.導入時から寛解に達するまで毎週筋肉注射をし(4ー10週を要する),寛解に達したら次ぎに漸減して隔月または2カ月に一度だけ維持療法として注射をする.ビタミンEは犬のDLEに使用され,1カ月間使用して効果がなければグルココルチコイドと同時に使用される.テトラサイクリンとナイアシンアミドは,円板状エリテマトーデスにおいてわずかな効果が認められている.
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Canine Idiopathic Erosive Polyarthritis
犬の特発性びらん性多発性関節炎
Ralphs,C,S., Beale,B.
Compend.Contin.Educ.Pract.Vet.2000.22.7:671-677


犬の特発性びらん性多発性関節炎( IEP )は,四肢遠位の関節を対称的に侵す 慢性的,進行性疾患である.その原因は不明であるが,免疫介在性疾患 である.臨床症状には,断続的な全身症状(抑うつ,食欲不振,発熱とリンパ節 腫大),跛行,亜脱臼と脱臼などがある.活性時の関節液の検査では,変性のな い好中球または単核球増加による白血球数の上昇が見られる(10,000 -100,000 ×103/mm3).レントゲン検査では,関節周囲の腫脹,骨のX線透過性亢進,軟骨 下骨の破壊を伴う嚢胞変化,骨棘形成などがある.病理組織学的検査では,関節 周囲の線維症,関節軟骨と 軟骨下骨のびらんを伴うパンヌス形成, 形質細胞と リンパ球の増殖を伴う絨毛状の滑膜増殖が見られる.診断は,抗核抗体(ANA)お よびリウマチ因子(RF)の検査を含め特異的な診断的検査がないので,特徴的な臨 床症状,関節液所見,レントゲン所見などとその他の関節疾患を除外することに よって行われる.治療は,薬物療法,物理療法と外科手術を主体とする.薬剤に は鎮痛効果,抗炎症効果,免疫抑制効果を期待してNSAIDS,免疫抑制剤などを使 用するが,初期のIEPを診断できないこともあり,それらの効果は期待できない ことが多い.外科手術は,痛みの軽減と機能改善を期待して行われ,関節鏡下の 滑膜切除術,関節形成術,総関節置換術または関節固定術がある.
犬のIEP と人のリウマチ性関節炎(RA)は共通点が多いことから,犬のIEPを犬の RAとして位置づけしている研究者もいる.しかし,検査所見などからIEPとすべ きであろう.
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