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| 薬剤関連・治療関連 |
文献(要約):草野道夫(草野動物病院),町田晴市(町田動物病院) |
1.イトラコナゾール
Martin,S. Compend.Contin.Educ.Pract.Vet.1999.21.2
イトラコナゾールは,トリアゾール誘ア体に属する合成抗真菌薬である.脂溶性のために, 脂肪組織,大網,肝臓,腎臓,皮膚組織内の濃度は血漿濃度の2-20 倍である.毛、皮脂、爪でも測定可能量が検出されるが、脳脊髄液では認められない.獣医学領域ではブラストマイセス症、ヒストプラズマ症、アスペルギルス症、様々な型の輪癬、(膣および全身性の)カンジダ症、クリプトコッカス感染および真菌性角膜炎などの真菌感染に対して使用される. 犬での副作用には 嘔吐,下痢,肝酵素の上昇,食欲減退,不活発,血液尿素窒素の上昇C皮膚潰瘍などがある.猫では食欲減退,体重減少,ALTの上昇が認められている.イトラコナゾールは,カルシウムチャンネルブロッカー、ジゴキシン、ミダゾラム、キニジン、サイクロスポリン、ワルファリンの血漿濃度を上昇させるので、用量の調節が必要である.リファンピンとH2ブロッカーとの併用はイトラコナゾールの血漿濃度を低下させる.イトラコナゾールによる治療は感染の程度によっては長期間にわたることがある( 30日から90日以上になることもある).再発および失敗を避けるためC臨床的に感染が無くなってからも1,2カ月続けるべきである.
用量
犬のクリプトコッカス症、アスペルギルス症;5mg/kg BID
犬のマラセチア皮膚炎;5-10mg/kg SIDまたはBID.
猫のクリプトコッカス症 体重<3.2kgの場合;50mg/day、体重>3.2kgの場合; 100mg/day. |
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2.輸血のガイドライン
Feldman, B,F.Am.. Anim.Hosp.Assoc.1999. Scientific Presentations of the 66th Annual Meeting:275-279
全血輸血は,異なった機能を持つ細胞や蛋白質,中間代謝産物など投与することである.全血輸血は,必要でない血液成分を投与した結果,多くの副作用を招く可能性があるので,不足した血液成分を投与するのが理想である.献血者の条件としては,身体検査,血液検査,ウイルス検査,寄生虫検査などに異常が無く,適切なワクチン接種が行われ,血液型が調べられている必要がある. 猫の血液型は,ABシステムでA型,B型,AB型に区別される.犬は,Dシステムで8つの血液型に区別される.最近、犬と猫の血液型を確認できる市販の簡易検査が利用可能になった.輸血時毎に,交差試験により適切な輸血を行うべきである.ただし,輸血は患者の状態を一過性に改善するが,副作用を発現したり,身体的反応を鈍くしたりするので(エリスロポエチンが十分産生できる時に,赤血球輸血をすると網状赤血球の産生を遅らせる),輸血の必要性,輸血の利益がそのリスクに勝っているか,コスト安などを考える必要がある.輸血反応は, 免疫介在性反応(交差反応によって検出されていない患者の抗体産生の結果である.溶血,発熱,アレルギー反応,移植片対宿主反応など)と非免疫介在性反応(溶血,循環の過負,汚染よる敗血症,クエン酸塩による毒素,高アンモニア血症,凝固異常,感染症など),即時型と遅延型(約1週間以降に起こる)に分類される.また,臨床家は患者の年齢,原因,貧血の期間,心臓,肺,血管の状態,血管動態の安定性をも考慮すべきである. |
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3.小動物の酸素療法
Compend.Contin.Educ.Pract.Vet.1999.21.7. Camps-Palau,M,A., Marks,S,L., Cornick, J,L.
酸素療法は,血液中の酸素濃度の最適化, 組織への酸素運搬の増加,心筋の運動量と換気量の減少を目的とする.適応症には,吸引酸素の分布の低下(全身麻酔による影響,高所),換気と血流分布の不衡(肺疾患, 急性呼吸器症候群),シャント(心臓の右ー左へ短絡,無気肺),分布障害(肺の間質性疾患),低換気(中枢神経系の抑制,上部気道閉塞,神経筋疾患など),酸素運搬の減少(貧血),ヘモグロビン障害,血流障害,酸素要求量の増加(発熱など)などがある.一般的原則としては,吸引酸素濃度(FIO2)は高濃度であると合併症が生じるので,40-50%の濃度が安全である. また,長期間の酸素吸入と上部気道障害がある場合には吸引酸素は加湿されなければならない.
酸素吸入法には,マスクによる酸素吸入,鼻と口の近くでの酸素吸入,セロファンでエリザベスカラーの前を覆った酸素吸入,鼻カテーテルによる酸素吸入,酸素ケージによる方法,気管切開時の気管内カテーテルによる方法があるが,鼻カテーテルによる方法が推奨される.その他に機械による調節呼吸法があるが適応症が制限される. 酸素吸入されている動物のモニター法には動脈血ガス分析,肺胞ー動脈酸素分圧較差の計測,動脈酸素部分圧/吸引酸素比,パルスオキシメトリーがあり,頻繁にモニターしなければならない.これらのモニター法が利用不可能であれば,臨床的評価によって判断する(例えば,低酸素症の臨床症状であるチアノーゼ、頻呼吸、呼吸困難などの有無を確認する).酸素療法の中止は, 原因疾患が治療されてから24ー48時間かけて徐々に行う. |
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Veterinary use of Recombinant Human Granulocyte Colony Stimulating Factor.Part1.Oncology.
4.犬と猫における顆粒球コロニー刺激因子recombinant human granulocyte colony-stimulating factor(rhG-CSF)の使用法.第1部腫瘍.
Henry C,J.,Buss M,S.,Lothrop C,D.,Jr.
Compend.Contin.Educ.Pract.Vet.1998.20.6:728-731
G-CSFは,IL-1,IL-3,TNF,IFN-γ,細菌の内毒素などによって骨髄の幹細胞,線維芽細胞,内皮細胞,単球,マクロファージが刺激され,産生されるサイトカインである.その主な作用としては,多能性幹細胞プールおよび各血球細胞の前駆細胞プールを増大するために,結果的に左方移動を伴う好中球増加症やその機能改善を起こす.現在市販されているG-CSFはrhG-CSFであるが,rcG-CSFも使用可能になるであろう.猫と犬におけるrhG-CSFの使用は,化学療法による骨髄抑制を改善し,より積極的な化学療法のプロトコールを可能にしている.健康な犬と猫に対してrhG-CSFを長期連続投与すると,G-CSF抗体を産生するとの報告がある.しかし,犬において臨床の現場で使用されることの多い化学療法後の好中球減少症では,抗体産生の徴候が認められていない.これは,免疫抑制状態で使用されているためであろう.
猫に関してはさらにデータの蓄積が必要であろう.化学療法剤とrhG-CSFおよびrcG-CSFの同時投与による有用な結果もあるが,現在は利用可能なrhG-CSFを5μg/kg/sc/1回/日,発熱による好中球減少症(分葉核好中球<1000/μl),長期間の重度好中球減少症(72時間以上,好中球数<500)に使用し,分葉核好中球が3000/μl以上になったら,投与中止すべきであろう.また,製剤の5%グルコースおよび自己血清による希釈,凍結保存法があるが,使用時毎にすばやく使用するのが賢明であろう. |
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